解体サウンド
- tsurusawayuko
- 7 日前
- 読了時間: 3分
周囲、四方八方、解体してます。
今現在、隣と斜め向かいの1軒が絶賛解体中。
重機の音とか、掘削とか、家が「めりめり」って崩れていく、強い振動を伴う解体サウンドが響き渡っています。
朝8時すぎから夕方17時過ぎまで、遅い時は18時くらいまで。
日曜日は休日ですが、祝日も作業しています。
解体業者の方はじめ作業の方は何ひとつ悪かないし、被災状況がひどい地域なので解体物件が多すぎるとかあるんですが、ここらは商店街だったところで、わりと日中もここに住んでお店したり、家で作業してる人もいます。
その人たちは、ずっとこの騒音を聴き続けているわけです。
まだまだ解体予定の建物は残ってて(周囲2〜300メートルくらいの範囲で、ざっと見て今後解体予定の建物は6軒)、鉄筋のビルとかもあって、この先も毎日この騒音が続くのかと思うとしんどくなってきました。
もちろん(?)更地にして何かを建てようっていうための解体じゃないよ。
また一軒、また一軒、消えていく。そういう解体。
先日、ある雨の日、近所で解体業者の方に事故がありました。
警察の検分も来ていたのでかなり深刻な状況とみています。
雨でも作業を進めなきゃいけない現状。解体という危険な作業の上、焦りは本当に危険だよね。
ねえ、なんで10月末完了なん?
誰がどういう理由で決めたん?
以前、解体協会の方が言っていた。
「10月末なんて到底無理だと思うけど、殿上人が決めたことなので・・・延びるとは思うけど確約がないから、現場は急がせるしかない」
殿上人さん。
なんで10月末なんでしょうか?
業者さん契約の関係とかですか?
そもそも、なんで解体一択なんでしょうか?
いろいろと価格が高騰していることもあり、建物の大きさや残地物にもよりますが、現在、1軒の家を解体するのに300万〜1000万円近くかかってると言われています。(鉄筋の場合は億レベル)
実際、所有者不明の空き家の問題は深刻だったし、それも解体してもらえるんだからありがたいと思おう、というのは確かにあります。
だけど。
解体という一択だけをつきつけられて、ある種洗脳みたいな状態になった被災者の方が「解体しなきゃよかった」と後悔している声は本当によく耳にするし、空き家でもまだまだ住めたよねという建物も解体されていった。
私たちが残そうと働きかけてきた魅力ある古民家も、空き家や居住の実績がない場合に受けられる公的な支援は「解体」のみ。
「直すって言っても、払えないから」何度聞いたでしょうか。
「修繕する費用さえあれば・・・」何度嘆いたでしょうか。
今更こんなこと言ったってどうしようもないんだけど、もし、「解体、もしくは、解体費用と同額の修繕費を助成する」という制度だったら。
町を覆う、この重く暗澹たる空気も、もう少し違ってきたんじゃないかと思う。
同じ費用がかかるのだとすれば、前向きになれる方に使ってほしかった。
そう思うのは、被災者のわがままなのでしょうか?

大まかですが、現在わかっている範囲で、Futoが拠点をおく地頭町区の状況をgoogle mapに載せてみました。
写真の赤は解体(予定含む)の建物で、緑が解体後に再建予定の建物、オレンジが解体後の土地に新築された建物、黄色丸がFutoの拠点です。