私的・半壊空き家調査
日頃、あちこちで耳にするのは、
「あの集落は10数軒あったのが今は3軒」「全壊やから娘のとこいくわ」「家もうダメやから金沢いく」「ずっと避難所なんて無理」「仮設いつになるかわからんし」なんて話。
この町にまた人がいなくなる。みんな出て行ってしまう。ああ、この町、一体どうなるの?
つい最近まではそう嘆いていました。
でも、最近、Futoのお借りした拠点を見て、
潰さなきゃならないと思っていた我が家の床下でまったくずれてない束石の上の柱を見て、
半壊でも、設備に限度があっても、手入れすれば住めるんじゃないか?
ということに気づきました。
この町には、もともと空き家がたくさんある。
避難所でも仮設でもなく、半壊でも住める家なら、直して住みたいという声があるんじゃ?
・・・と、空き時間に空き家を回ってみました。
たしか、あの角の○○さん家は空き家になってそう古くないぞ。
建物もちょうどいいサイズだし。もし誰も住んでいないなら、罹災状況を調査してマッチ・・・あれ?
車とまってる・・・業者さん、え?トイレ直してる?
ちょっとまって、ここって森・・・
表の名前が違う!新しい表札だ!
どうやら考えることはみんな一緒だったみたいです。
もちろん壊滅的な状態の家もありますが、
新たに人が住んでいらっしゃる家もいくつかありました。
さまざまな事情で町を出ると決めた人に「やめて、いかないで!」なんて止めることはできません。
それは決めたご本人の意思を尊重します。
ただ、もし「やっぱりここがいいわー」となったとき、「おかえり」「またいつでも帰ってきて」と受け入れる器だけは用意しておきたい。あるいは「住みたいのに住めんくて」という方には、こういうのもあるよ、こういうのだってあるよ、と言いたい。
私的・半壊空き家調査はFutoの主な活動の一つとなりそうです。
仮設に入る方の荷物置き場の小屋探しも一緒に。
帰り道、避難所に立ち寄って、みなさんの顔みて話をすることもでき、ホッとした1日でした。